演劇レーベル Bo-tanz第22回公演
天狼新星
作・演出:花田智
出演:高橋 彰規/花田智/原麻里子
☆☆

批評 んで、何を言いたい?
 いきなりで申し訳ない。語りたい事が見え難くて、どこで楽しめば良いのか分からい。

 作られた双子の復讐としては、双子が果たして正気か?という問題を解決出来ていないし、“見た”現象そのものが何だったのかも分からないのは問題だろう。
 主人公の自己犠牲の話としては、DB と人との違いやらなにやらという部分での説明が無いのは問題だ。なぜ主人公が DB でなければならなかたのかが分からなくなるから。
 彼らを支えるキャラクタも、突然 (物語の流れと関係があるとは思えない) 過去を語り出したりするのは、肉付けのためなんだろうが、流れを悪くしているだけだと思う。
 だいたい、あんなに多くの登場人物が必要なんだろうか?

 物語的な矛盾や疑問も少なくないし (大きく四つ、タイムパラドックスがきちんと処理されていない、シリウスまでの移動時間が処理されていない、ソリトンネットの基本設定に無理がある、シリウスはハイパーノヴァどころかスーパーノヴァさえ起こしそうにない。細かいのになると無数に)、用語や事象に関する部分にも疑問点は山のようにある。

 それっぽい単語を、それっぽく並べて、それっぽい理論を組み立てるテクニックを否定し、実際の単語を用いて、これでもかというくらい説明的な台詞を駆使しているにしては、それはあまりにも作りが荒い。
 個性だからと拘るのであれば、もっと丁寧に、もっと緻密に組み立て、使うべきなのではなかろうか?
 「客の入りが悪い」と嘆く前に。


戻る
表紙