ゴー!ゴー!Gang
出演:木村淳/勝部陽子/羽鳥友子
2000年/セキ・ドゥ/約105分(らしい)/☆☆☆

批評 それなりに面白かった
 セキ・ドゥの前々作公演...になるのかな?「マダムカルテット」は、コメディーシーンとシリアスシーンの調和がとれていない上、そのアンバランスさのままラストに説教が入るという、はっきり言ってデタラメな完成度だったので、今回もそうとう心配でした。まぁ心配で終わったんですがね。
 まだシリアスなシーンと、コメディアスなシーンが急激に変わりすぎる感じはするが、全体のバランスは良く取れていたと思う。

 問題はキャラクタの弱さにあった。
 特に香坂登と佐野賢のキャラクタ的な弱さはほとんど致命的。
 登は一見なにを考えているのか分からないキャラというのも作り出したかったのだろうが、実際には自分の意見を言えるんだか言えないんだかわからない分裂した性格。自分でやってしまったことを認識していない認識力の低いキャラ。になってしまったように思う。
 サノケンなんて、病人にしか見えないのは気のせいですか?

 これに対して、星野鉄男、星野節子(どーでも良いことなんだけど、外見も性格もこういう人物が知り合いにいて、吹き出しそうになった)なんて、家族構成から性格形成まで全部説明が出て来ちゃうじゃない。
 かと思えば藤谷武士、玉木まゆみなんて、関係ない部分は一切説明がないし。
 ちょっとキャラの背景にバラツキがありすぎると思うんだよねぇ。

 とはいえ、ある程度は仕方なかったのかもしれない。
 “人の数だけ物事の捉え方は違う”ということを押し出すためにキャラクタに必要とされていた部分は、個々のキャラクタが可能な限り多様な価値観を持っているということを説明出来れば良いわけだし。
 そう考えると、物語優先な作り方とキャラクタ優先な物語の作り方の違いとも取れるな。

 ぐ...こうなると脚本買ってしっかり読んでから書くべきだったか?失敗だ。
 と、いうわけでちと不満は残ったもののなかなか愉しめる内容でした(って、批判部分しか文章になってないな)。


戻る
表紙